🐶うめのはなが、さいいたよ

それでは今日の本題です。
今日はまた歴史の話なので、興味のない方はスルーしてくださいねm(_ _ )m

この写真にひとめ惚れで「歳サマ恋しや」のン十年、人生観まで変えられてしまった私ですが…
この写真は，亡くなる数か月前に撮られたものですが、当時の写真は撮影に時間がかかるため、ある程度の間じっとしていなければなりません。
そのせいかほとんどの人物写真がしかめっ面で怖い顔になっていて、そんな時代でもこんな穏やかな顔で写っているのは、土方さんか中岡慎太郎くらいではないでしょうか？

　　よしや身は蝦夷が島辺に朽ちぬとも
　　　　　　　　　　　　魂は東の君や守らむ

土方さんの辞世といわれている歌です。
この「東の君」とは、誰を指しているのでしょう。
土方さんの立場だと、主君・徳川幕府と将軍と考えるのが自然ですが、もはやそのどちらも存在しない函館時代にまだそんなことを考えていたとも思えません。

函館時代の土方さんは、京都新選組の鬼副長時代と違って、部下たちにもとても優しかったといわれています。
それは土方さんが変わったのではなく、本来の自分に戻っただけなのでしょうけど…
この歌は上の写真と一緒に、土方さんの小姓を務めていた市村鉄之助に託して、故郷へ届けられた遺品の中にあったものだそうたです。
ドラマなどでも、最後まで副長のそばで戦いたいと泣いてすがる市之助に、「これは命令だ！」と突き放す土方さんの姿… ううっ、泣かせるシーンです(Ｔ▽Ｔ;)
遺品を届けたいというより、まだ年若い市之助を逃がしてやりたいという、思いやりの気持ちのほうが強かったと思いますけど…
「東の君」とは、おそらく土方さんにとって最も敬愛する、故郷・多摩の人々だったのではないかと思います。

近年の研究で、こちらが本当の土方さんの辞世ではないかといわれているのが

　　鉾とりて月見るごとにおもふ哉
　　　　　　　　　あすはかばねの上に照かと

若い鉄之助の命はなんとかして救おうとしても、自分自身はもはや生き延びようという気持ちは全くないようです。
せめて大好きな月が、自分の屍を照らしてくれればそれで満足だったのでしょう。

一国の大名でさえも、その時の情勢によって主義主張がころころと都合の良いほうに傾いていた時代、最期まで自分の信念を曲げることなく、己の武士道に殉じた土方さん…
今思えば、私がひとめ惚れしたのは姿形ではなく、その不器用なほど一途な生き方だったように思います。

先日ネット検索していたら、こんな写真展の記事を見つけました。

🏫「夜明けまえ　知られざる日本写真開拓史　北海道・東北編」（東京都写真美術館）

函館時代の土方さんと、志を同じくした人々の写真、そして当時の五稜郭などの貴重な写真が見てみたいので、たとえ日帰り強行軍になっても行きたいと思っています。
5月6日までなので、まだ充分に余裕がありますね。
お近くの方、もし興味があれば行ってみませんか？

土方さん♡